「海洋保全って具体的にどんなこと?」
「日本が取り組むだけで海洋保全になるの?」
海洋保全と聞くと、なんだか壮大なことのように感じますが、実は私たちでも取り組めることは沢山あります。

海はつながっているため、日本だけでなく世界中で取り組まれていることで、SDGsが制定されてから注目度も高まってきている活動です。

今回は、そんな海洋保全に対する国の取り組みや国際的な活動について取り上げていきます。

海洋保全への取り組みは国単位で行われている

海洋保全は、大きな取り組みであることから、国単位で行われています。特に、四方を海で囲まれている日本では、必須の取り組みだと言えるでしょう。

海洋保全を行うには、海の環境や生態系についての科学的データを集め、生物多様性の現状を常に把握することが必要となります。各省庁をはじめ、地方公共団体や研究者などと連携し、データを集めて分析して改善案を出しているというのが現状です。

海洋保全という言葉から、海での環境汚染や漁業に注目してしまいがちですが、実は都市開発なども、海へ影響を与えています。保全や保護が必要な地域においては、保護区の設定した規制などにより、土壌や環境に配慮し、海に流れ出ないような開発が心がけられています。

また、漁業においては、主要な魚種に対して漁獲可能量などを定めて、生態系が崩れないようにする規制も多いです。併せて、外来種の輸入規制や防除なども進められており、現状の改善と未来への対策が同時に行われています。

海洋保全の取り組みは大きく5つ

海洋保全に対する取り組みとしては、大きく以下の5つに取り組んでいます。

  1. 情報収集
  2. 原因の解明と対策
  3. 海域に応じた手法
  4. 海洋保護区
  5. 普及と連携

情報収集は、前述したように海の環境や生態系についての科学的データを集めています。正確なデータがあることによって、現状に合わせた取り組みができるため、様々な立場の人と連携をしています。

原因の解明と対策では、今の状況になってしまっている原因を解明し、どのように対策していくべきかを考えます。漁獲量や環境汚染の軽減、気候変動など、様々な角度から考え、対策していくことが重要です。

海域に応じた手法は、海へと続く河川に対する流域の安全性や生態系の保全を行います。漂流・漂着ゴミが多い地域では、実情に応じて回収方法や処理方法についても、対策が練られています。

海洋保護区は、保全上重要度の高い海域を把握し、管理をする取り組みです。海の生物多様性を保全する上で有効な手段のひとつで、持続可能な利用を行うために動いています。

普及と保護は、特定の人たちだけが行動するのではなく、より多くの人が行動できるように認知を高めています。また、エコラベルの認証や地域ごとに取り組みの支援を行い、誰でも参加できるような環境にしていくことが目標です。

海洋保全では個人への呼びかけも積極的

海洋保全に国として取り組んでいるとはいえ、できることは限られています。そのため、国でできることをやりつつ、より多くの人に参加してもらうために個人への呼びかけも積極的です。

エコラベルのついた商品を購入することであったり、プラスチックの削減であったり、直接海に関係がなくてもできることは沢山あります。最終的に海の資源を利用するのは、個人だからこそ、できることから始めていきましょう。

1人だけでは小さいことかもしれませんが、みんなが取り組めば影響も大きくなります。

海のエコラベルMSC認証・ASC認証

環境に配慮した製品を認証して付けられるのがエコラベルです。海洋保全と関連が深いエコラベルとしては、MSC(海洋管理協議会)認証やASC(水産養殖管理協議会)認証が挙げられます。

MSC認証は、魚種資源の減少から増加への転換や世界的な海洋保全の改善などに配慮した製品。ASC認証は環境に配慮し、かつ労働者の権利にも配慮している製品の証明です。

どちらの認証も国際的な認証基準にもとづいて与えられるため、エコラベルの付いた製品を選択することが、海洋保全につながります。

日本だけでなく国際的に海洋保全の取り組みは進んでいる

海洋保全への取り組みは、日本だけでなく国際的に進んでいます。昔からあるものだと、ロンドン条約(陸上で発生した廃棄物の海洋投棄及び洋上焼却に関する規制)やOPRC条約(油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約)などは、周辺国と協力して推進されています。

最近では、日本も取り組み始めたように、プラスチックの削減などを行う国も増えてきました。EU(欧州連合)では2019年に、海洋汚染を防止するため、使い捨てプラスチック製品の流通を2021年までに禁止する法案を採択しています。

ほかにも漁獲量の規制や環境に配慮した規制などに取り組んでいる国が増えてきています。

各企業や地域も海洋保全の取り組みを実施!

海洋保全の取り組みは、国だけでなく企業にも広がりつつあります。水資源を考えたモノづくりや浄化した水を自然に変換するなど、できることに取り組んでいる企業はここ数年で増えました。

具体的な取り組みに関しては、環境省のウォータープロジェクトのページに活動状況として取り上げられているので、ぜひ見てみてください。みんなが知っている企業はもちろん、水資源に関連する企業が参加しています。

報告会やイベントも定期的に開催されており、より身近に海洋保全を感じることができるでしょう。

環境省:ウォータープロジェクト

まとめ:海洋保全は世界の問題!取り組みを知っていこう

海洋保全は、日本だけでなく世界の問題です。普段食べている魚や日常生活で使っている水はもちろん、紙や服の生産にも大量の水は使われています。

一人ひとりが海の恩恵を受けているということからも、できることは何かを考えて行動することで、持続可能な資源として未来へつながるでしょう。

海洋保全でできることが分からないという方は、ぜひコチラの記事も読んでみてください。
海洋保全のためにできることは?海の豊かさを守るための第一歩