「これを捨ててしまうのはもったいない…」
「注文しすぎてしまったけど食べきれないのはもったいない…」
この”もったいない”という言葉、日本で生活している人なら聞いたことのある言葉ですが、実は世界でも広く知られている言葉なんです。

もったいないという言葉が世界に広がったのは、ワンガリ・マータイさんがきっかけです。今回はなぜ、もったいないが世界で使われるようになったのかをご紹介していきます。

世界に「もったいない」が広がったのはワンガリ・マータイさんのノーベル賞がきっかけ

ワンガリ・マータイさんは、ケニア共和国元環境・天然資源省副大臣で生物学博士として活躍されていました。ほかにもグリーンベルト運動創設者だったり、国連平和大使だったりと広い分野で活躍していたことで知られています。

学校の教科書にも載っているため、聴いたことのある人も多いかもしれません。

もったいないという言葉が広がったのは、2004年に環境分野およびアフリカ人女性で初のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが環境を守るための共通言語として「MOTTAINAI」を広めることを提唱したためです。

ワンガリ・マータイさんは、2005年に京都議定書関連行事出席のために来日した際にもったいないという言葉を知って感銘を受けています。それから、世界で「MOTTAINAI」を広める活動として「MOTTAINAIキャンペーン」をスタートしました。

グリーンベルト運動中には「MOTTAINAIチーム」を設立し、プラスチックの削減などを進めて、環境問題にも大きく貢献しています。

意外と知らないもったいない(MOTTAINAI)に隠された意味

「もったいない」という言葉ですが、世界の人にとってはどういう意味なのか理解が難しかったそうです。

日本人もなんとなく使ってはいますが、もったいないを具体的に説明するとなると少し難しい気がします。そこで、分かりやすいように表されたのが「3R+R」です。

環境問題などでもよく聞く3Rの「Reduce(削減)」「Reuse(再利用)」「Recycle(再資源化)」に加え、「Respect(敬意を払う)」を加えたもの=「もったいない」の概念としています。

あまり意識したことはないかもしれませんが、もったいないには自然や物に対しての敬意や愛情が乗せられています。さらに、もったいないには色々な意味が含まれており、使用する場面もさまざまです。

実際にどういった場面で使われるのかは次の章で解説していきます。

「もったいない」はどんな場面で使われる?

もったいないという言葉は何気なく使われることが多いですが、使用場面を分解すると多くの場面に分けることができます。

もったいないが使用される具体的な場面を見てみましょう。

食事の場面:食べ残しはもったいない

食事の場面で実際に耳にしたり、使ったことのある人は多いと思います。食べ残しをした際なんかは、もったいないと思ってしまうことは多いですよね。

また、食事を作る場面でも、まだ使える部分があるのにもったいないと使用されることもあります。食事は毎日するもののため、その分使用頻度も高くなるというわけです。

できれば、もったいないという言葉を使わない、あるいはもったいないを未然に防ぐように心がけましょう。

ものを捨てる場面:まだ使えるのにもったいない

ものを捨てる場面でも、もったいないは使用されます。まだ使うことができるのにもったいない、せっかく買ったのにもったいないと感じる人も多いはず。

捨ててしまうのであれば、リユースやリサイクルを意識してみてはいかがでしょうか。自分にとっては必要のないものでも、必要としている人は沢山いるということも珍しくありません。

ものが溢れている現代社会だからこそ、どのように使い続けることができるのか、どうしたらもったいないと感じることなく捨てることができるのかを見直すことも大切です。

時間を無駄にする場面:時間が無駄にするのはもったいない

時間を無駄にしてしまうと、もったいないなと感じることは多いです。「せっかくの休日を寝るだけで過ごしてしまった」「やりたいことがあったのにSNSやゲームに時間を使ってしまった」なんて経験は誰しもあるでしょう。

そんなときにも、もったいないは使われます。自分の理想の生活に近づけるためにも、もったいないが少なくなるようにしたいところですね。

前に挙げた2つの場面を含め、全てがもったいないという表現で完結されますが、英語で表現しようとすると以下のようになります。

  • It’s wasteful.  (それは粗末にすることだ)
  • That’s a waste of time. (時間の無駄だ)

このように、もったいないには様々な意味が詰め込まれており、使用場面も異なります。

ものが溢れる今だからこそ考えるべき「もったいない」の根底にある考え

もったいないを国語辞典で調べると「神仏・貴人などに対して不都合であること」「不届きであること」「過分のことで畏れ多いこと」「ありがたい」「無駄になることが惜しい」などの意味があるとされています。

この中の意味にも含まれるように、ありがたい気持ちや敬意を払うという意味も含まれているのが「もったいない」という言葉です。

今でこそものが溢れており、必要なときに必要な分だけを買うことができますが、本当にそれ

まとめ:もう一度「もったいない」について考えよう

もったいないという言葉が世界で使われているのは凄いことです。より多くの人がこの言葉を知って、自分の生活を見直すことができるようになれば、より良い世界になっていくことでしょう。

最後に今回の記事をまとめておきます。

  • 「もったいない」はワンガリ・マータイさんによって世界に広められた
  • もったいないは、3R+Respect(敬意を払う)の概念
  • もったいないには意味が多く、その分使用される場面も様々

代替えが効く現代では、もったいないと感じる場面も少なくなっているかもしれません。

しかし、環境や資源のことを考えると、もったいないことは沢山あります。自分さえ良ければと考えてしまうこともあるかもしれませんが、そんなときには「もったいない」という言葉を思い出してみてください。