「海洋保全って名前は聞くけど具体的にはどんな内容?」
「海洋保全をしないとどうなるの?」
海洋保全という言葉を耳にする機会は増えましたが、具体的にどういうことなのかを知る機会はあまりないですよね。
海洋保全という文字からなんとなく理解をすることはできますが、実際に何をしたらいいのかは難しいところです。
しかし、海洋保全は他人事ではなく、日本人には大きく影響のあること。
このままでは、今まで食べていた美味しいお刺身すら食べることができなくなるかもしれないのです。
今回は、そんな海洋保全の基本的な考え方から具体的な内容まで詳しく解説していきます。
海洋保全とは?基本的な考え方
海洋保全とは人類が安全で快適に生活できるようにするとともに、海洋が持っている多様な生物や資源の恩恵を後世に繋ぐために、現在の海の自然を維持することを指します。
具体的には、自然が正常に循環しており、人が自然に干渉したとしても海洋が有する浄化能力や生産力により復元される状態を目指すことにあると言えるでしょう。
例えば、魚をとったとしても、生まれる数が多く全体の数が減らない状態なんかは海洋保全がされていると言えます。
一方で、人が廃棄した油や水質汚染の影響で、少しでも海が汚れるような状態になってしまい、海の浄化能力だけで元に戻らない場合は海洋保全がされていないということになります。
極端な例ですが、イメージはしやすいはずです。
海洋保全の具体的な取り組みとしては、海洋の物質循環システムの修復や人間活動に伴う自然への負荷の削減、外来生物種の侵入による生態系のかく乱防止などが挙げられます。
世界ではどんどん失われている海の本来の姿
世界では海の本来の姿が失われつつあります。身近なところで言えば、お寿司の代表格ともいえるマグロが絶滅危惧種Ⅱ類に分類されており、近い将来食べられなくなることなどが危惧されています。
ほかにも海洋生物は、年々種類が減少しており、本来生きていたはずの生物が少なくなりつつあるのです。
こういった現象は、海洋環境において多く見られています。
サンゴの白化現象
サンゴ礁の白化現象も失われつつある海洋の姿です。サンゴ礁は、本来海洋において多様な生物の共存を可能にしたり、二酸化炭素の循環機能の役割を担ったりしています。
しかし、近年の温暖化などの影響でサンゴ礁の白化現象が進み、あるべき姿が失われ、本来の機能が働かなくなってしまっているのです。
直接的な関係はないと思われる方もいますが、サンゴ礁が減少することによって、生態系が崩れていくことも確認されています。
温暖化がこうした海洋に影響を与えていることは、まだまだ知られていません。
多様な海の生物の減少
海には、数え切れないほどの生物が生息していますが、その数は年々減少していることが分かっています。
単純に人間が漁業をしすぎてとり過ぎてしまっているということはもちろん、前述したサンゴ礁の現象なども原因として挙げられているのが現状です。
今はまだ大きな影響はありませんが、近い将来多くの魚を口にすることができなくなるとも言われています。
そのくらい事態は深刻化しているのです。
世界規模で起きている海の危機の原因とは?
海は世界中で繋がっており、どこかの国の問題というわけではありません。世界全体が、今の海洋環境を作り出したと言えます。
では、なぜ今の海洋環境になってしまったのでしょうか。
考えられる代表的なことをご紹介していきます。
生息環境を脅かす環境汚染
人間が自分たちの快適さを求めるがゆえに、海にプラスチック製品を捨てたり、汚染された水を流したりしていることは多くの人が知っています。
「海は広いし流れるから問題ない」という意識がどこかにあり、各国でそうした行動が見られましたが、当然蓄積はされていくもの。
徐々に環境を汚染していき、海洋生物の生息環境さえも脅かすようになりました。
一度捨てられたものを回収することは難しく、元の海洋状態に戻すことができないため、環境汚染はどんどん進んでいきます。
人間の漁業によるバランスの崩壊
漁業は世界各国が行っており、とれる分だけとってしまおうという動きが目立ちました。
漁獲量が多ければ流通する量も多くなり、安く多くの人に行き渡って漁師さんも儲かるため、当然といえば当然かもしれません。
しかし、とりすぎてしまったら母数は減っていきます。そうしたことを考えずに漁業を好き勝手に行ったことで、海洋の生態系が崩壊してしまっているのです。
私たちが普段口にしている魚の中にも、絶滅危惧種に指定されているものが多くあります。
マグロやウナギが指定されていると聞くと、なんだか身近に感じますね。
外来種や気候変動も大きな原因に
外来種の侵入や気候変動も海洋環境を変化させる大きな原因です。
外来種は在来種の生態系を大きく崩し、最悪の場合、在来種の絶滅にも繋がります。また、水質の変化も少なからずあるため、水質汚染に繋がることも珍しくありません。
気候変動は前述したサンゴ礁の白化現象を進めたり、本来の海水温度を上昇させることで、生態系に変化を及ぼしたりします。
また、温暖化による台風で洪水などの被害が多くなれば、川や海へ流れ出たプラスチックがより広い範囲に拡散されることも分かっているのです。
まとめ:海洋保全がどんなことか知ることから始めよう!
海洋保全は文字通りの言葉で、海洋を保全することを指します。具体的に、どのようなことをしたら海洋環境に影響が出るかは、専門的な知識がなくてもある程度は予測ができるはずです。
特に難しいことはないため、多くの人が海洋保全について考えることができると言えますね。
最後に、今回の記事をまとめておきましょう。
・海洋保全は現在の海の自然を維持することを指す
・世界中で海の本来の姿は失われつつある
・海洋環境の変化は人間の影響によるものが多い
海洋保全について、少しでも興味を持つことができたら、あとはどのように行動に移すかが大切になってきます。
海洋保全のためにできることについては、こちらの記事で紹介しています。