「バイオマスエネルギーって具体的にどんなもの?」
「バイオマスエネルギーを使うとどんな良いことがあるの?」
テレビのニュースなどでも目にするバイオマスエネルギーという言葉。

なんとなく見ている、聞いているという人も少なくないですが、これからの生活に欠かせないものとなる日がくるかもしれません。

今回はバイオマスエネルギーのメリット・デメリットに注目して解説していきます。

再生可能エネルギーとは?自然の力で作られるエネルギー

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能なものから作り出されるエネルギーのこと。太陽光や風などを利用してエネルギーを作り出すため、尽きることがなく持続的に再生可能なエネルギーとして使い続けることが特徴です。

温室効果ガス(CO2)も増加させないため、SDGsやパリ協定の実現にも貢献できるエネルギーとして注目されています。

資源の乏しい日本では、石油や石炭、天然ガスなどは海外からの供給に依存しています。再生可能エネルギーは日本国内でも生産できるということもあり、海外に頼らないエネルギーとしても重要な役割をになっていくでしょう。

バイオマスエネルギーの特徴

バイオマスエネルギーの特徴としては以下のようなことが挙げられます。

● 地球温暖化の対策
● 循環型社会の構築
● 農山漁村の活性化
● 地球環境の改善

上記のようなことを化石燃料のような有限な資源を使わずに実現できるのは、バイオマスエネルギーの大きな特徴です。

バイオマスエネルギーにはどういったもので、どのようなものがあるのかもう少し深掘りしてみましょう。

生物資源(bio)の量(mass)を表す概念

バイオマスエネルギーとは、「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」を指します。簡単に言うと、動植物を利用した生物資源の総称。

バイオマスエネルギーといっても、生産方法は分かれており、「直接燃焼方式」や「ガス化方式」があります。これらの方式で得られた熱をそのまま利用したり、発電に利用するというのが一般的な流れです。

生産方法によって最終的なエネルギーの形も異なるため、「バイオ燃料」や「バイオマス発電」とそれぞれ別名を持っていることも少なくありません。バイオマスエネルギーの用途は幅広く、あくまでも全体を指す言葉であるということは覚えておきましょう。

日本ではバイオマスエネルギーの資源として、「家畜排せつ物・黒液・製材工場等残材」の利用率が高く、「食品廃棄物・農作物非食用部・林地残材」の利用率が低い傾向にあります。

バイオマスエネルギーの種類

バイオマスエネルギーにはさまざまな種類が存在します。

たとえば、製材廃材や建築廃材は「木質燃料」に、サトウキビやトウモロコシは「バイオ燃料」に変わっていきます。バイオマスエネルギーの種類としては以下のように分類されます。

● 廃棄物系バイオマス:家畜排せつ物、黒液、食品廃棄物など
● 未利用バイオマス:麦わら、稲わら、もみ殻など
● 資源作物:サトウキビ、トウモロコシ、ポプラなど

これらの変換手段として、「燃焼」や「熱化学的変換」、「生物化学的変換」があり、最終的に電気や燃料として利用できるようになります。

バイオマスエネルギーのメリット・デメリット

バイオマスエネルギーが注目されている背景には、使用するにあたってのメリット・デメリットがあるためです。

環境に負荷をかけず、エネルギーを自給自足できるのは大きなメリットですが、一方でコスト面などに問題を抱えているのも事実です。

このメリットとデメリットと向き合って、今後どのように付き合って行くのかはこれからの課題だと言えるでしょう。

メリット:安定的に発電することができる

バイオマスエネルギーのメリットとしては、再生可能エネルギーであることが第一に挙げられます。廃棄物などを使用することにより、本来捨てられてしまうようなものを再利用できるのは、エコだと言えます。

さらに、温室効果ガス(CO2)を増加させないというのも大きなメリットです。燃料を燃やす際に、CO2が発生しますが、植物が新たに成長すれば光合成によりCO2を吸収してくれます。

差し引きすると、大気中のCO2濃度は変わらないとなるわけです。

また、天候などに左右されることがないため、ほかの再生可能エネルギーに比べ、エネルギーが安定的に供給できるというのもメリットとして挙げられます。

デメリット:コストがかかる

バイオマスエネルギーのデメリットとしては、どうしてもコストがかかってしまうということ。

燃料の資源自体にコストがかかるのはもちろん、運搬などにも少なからずコストがかかります。その場で資源からエネルギーを生み出すことができないというのは、太陽光や風力との違いになると言えるでしょう。

しかし、こうした問題も工程を一体化するなどして効率化することによって、コストを低く抑える例も見られてきています。

将来的には一定のところまでコストを抑えて運用できる可能性も高いです。

まとめ:バイオマスエネルギーのこれからに注目しよう

バイオマスエネルギーはコスト面などが懸念されていますが、対策として国が補助金を出したり、固定価格で買い取ったりするなどの動きが見られています。

最後に今回の記事をまとめておきます。

● バイオマスエネルギーは再生可能エネルギーの一種
● 環境保全や地球温暖化の防止に役立つ
● メリットとデメリットがあり課題も抱えている
● 自給自足が可能なエネルギーである

今後さらに注目されるエネルギーとして、引き続き関心を寄せたいエネルギーだと言えるでしょう。